映画 視聴ノート

【映画】『教皇選挙』(エドワード・ベルガー)

2025年5月5日

『教皇選挙』を観に映画館を訪れると、実際に行われる教皇選挙(コンクラーベ)もあってか注目度も高いのだろう、ほぼ満席だった。3分の2以上の投票を集めた候補者が出るまで投票を繰り返す、まさに“根比べ”の選挙の舞台裏を描いた映画だ。

密室で次のローマ教皇を選ぶ。キリスト教の最大教派であるカトリック教会の信者は、世界各地に14憶人。その最高指導者を決める投票権は、枢機卿にあるが、彼らは同時に候補者でもある。彼らは教皇に次ぐ地位だが、映画ではスマホをいじったり、煙草を吸ったりと人間臭い場面も。陰謀ひしめくなかで、投票は、初日は一度だけ、二日目からは午前二回、午後二回行われる。決まれば白い煙、決まらなければ黒い煙が上がり、結果が外部にも伝えられるのだ。

巧みな駆け引きというよりは、伝統を重んじる保守派と、時代の変化に歩み寄る革新派の論戦に面白さを感じた。14億人という、世界人口の2割を占めるローマ教会の長として、どのように現代と折り合いをつけていくのかが見どころである。

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